3.募集チラシの見方



 まずは、実際にチラシをご覧下さい。不動産屋に行くとこんなチラシを見せて、紹介してきませんか?こちらはアットホームという会社で発行しているチラシです。通常貸主から募集を依頼された不動産業者が、他の不動産業者に客付けを依頼する為に作成するチラシです。これは一般に出回ることは無く、不動産業者間に配布されています。


この物件の紹介は、以下の通りです。
 物件名:プタツーハイム  賃料:75,000円  敷金:1ヶ月  礼金:1ヶ月
 募集不動産会社:ぷたつう不動産 
 このままだと大きすぎるので、3つに切って、ご説明いたします。



チラシ上部

この部分は、どのチラシでも大体共通しています。

@物件種別  建物の種類です。この場合は貸マンションですね。その他アパート、貸家、テラスハウス等があります。
A路線案内  電車の路線を表示しています。
B最寄り駅 大体はこの物件に一番アクセスの良い駅が表記されています。
C駅からの距離  この場合は、Bの駅から徒歩7分くらいで到着します。詳しくは12.駅徒歩○○分は当てになるの?をご覧ください。
D賃料  毎月の賃料(お家賃)です。
E礼金・敷金  契約時かかる礼金・敷金の表示です。この場合はどちらも1ヶ月ずつですね。
F管理費・共益費等 毎月賃料とは別にかかる費用です。これらは共用部分の電気代や、清掃費に充てられます。詳しくは賃貸不動産用語集をご参照ください。
G間取り 部屋のタイプです。この場合は1Kという間取りです。
H広さ この物件の広さです。通常u(平米:へいべい)という単位で表記されます(1u=1m×1m)
I間取りの内訳 どのくらいの広さの部屋が何部屋あるか等が表示されています。この場合は8帖の洋室とK(キッチン)があります。
J駐車場 駐車場が有るか無いか。また有る場合の賃料等が表示されます。


チラシ中部

この部分は、チラシにより記載されていることが、かなり変わっています。
物件の写真や地図が掲載されている物もあります。

@物件名・号室 募集している物件の名前と部屋の号室です。
Aキャプション(大) 大きく見出しを付けているのは、一番目立たせたい事が多いです。
Bキャプション(小) その他言いたい事が記載されています。
C間取り図 実際の募集をしている物件の間取りです。一番重要視する所かも知れませんね。
D方位 物件の向き・方角です。
E物件情報 所在地、構造・規模、築年月、契約期間、入居日、保険加入、備考が解る様に記載されています。
F物件設備 この物件にはどの様な設備があるかがチェックされています。細かい所ですが、確認した方がいいところです。チェックが漏れていたり、また間違った所にチェックが付いている場合もあります。
G物件番号 このチラシの整理番号なので、気にしなくていいです。


チラシ下部

このチラシを出している不動産業者の情報です。
ちなみにこの部分を業界用語で、(おび)と言います。

@免許番号 この不動産業者の免許の番号です。免許が無い業者は、当然ですが不動産業の営業が出来ません。
A不動産会社 貸主から依頼され、このチラシを出している不動産会社(元付業者)です。他の不動産会社が、仲介でこの物件を紹介したい場合、こちらに確認します。
B手数料の分配 仲介手数料の支払い割合です。借主100%、客付100%となっている場合は、入居者が、仲介した不動産業者(客付)に賃料1か月分を支払うという表記です。
C取引態様 この不動産取引に対する、契約の態様です。媒介(仲介)の他、貸主・代理等もあります。
D情報公開日 このチラシが発行された日です。当然近いほど、情報が新しい物件です。
E客付会社様へ 元付業者が、客付け業者に対するメッセージです。紹介する際の案内や、注意点等が載っていますが、入居者希望者の方はあまり見る機会が無いと思います。



 入居者がこのままこのタイプのチラシを手にすることは、あまり無いと思います。大体はコピーして渡されるでしょう。何故って?理由は2つあります。

 1つ目の理由は、このチラシが1枚しか配られないので、原本をお客様に渡してしまうと、次に使えないからです。だからコピーしたものを渡します。ごくたまに元付業者が自社の物件を進める際、原本をくれる場合があります。

 2つ目の理由は、、、と言うよりも99.9%こちらの理由だからですが、仲介業者(客付け)はこのままこのチラシを渡してしまうと、次に連絡するとき、チラシに記載された不動産業者に連絡をしてしまいます(元付け)。そうなると当然、お客様に逃げられてしまうので、こんな感じでチラシをコピーして渡します。



 どこが変わってます?白黒になった?はい、それはその通りです(笑)。後は見えづらくなったかな?


 それは置いておいて、チラシ下部の不動産業者情報が変わっています。そう、これは仲介会社(客付会社)が、自社を連絡先に変えているんですよね(通称:帯換え)。これで安心して他社のチラシを渡せるんですよ。






募集チラシでの注意点


借主:
 この情報は全てが正しいとは言えません。図面と現況が異なる場合は、現況が優先されます。チラシだけで良し悪しを判断せず、実際に物件を見て判断しましょう。結構図面が間違っていたり、設備のチェックが外れていたりする場合があります。


不動産会社(元付):
 お客様がまず第一に判断するのは、このチラシからです。だから製作する際は、よくチェックして、間違えの無いように。場合によっては取り返しの付かない事態にも発展しかねません。また、「前の募集が隣の部屋だから、今回も同じだろう」とか、「前回募集した条件と同じだから、今回も同じ図面を」なんて考えは、絶対に捨てて下さい。設備や仕様が変わっていることもありますので、必ず新規で作るよう、心がけて下さい。


不動産業者(客付):
 いくら他社が作ったチラシでも、問題が起きた場合、コピーを渡した方にも仲介責任が発生します。早い時点で確認し、チラシと現況の相違点が見つかったのなら、元付業者にもお客様にもその点を伝えて下さい。


貸主:
 自分の財産が貸し出されるのです。出来るのなら募集のチラシを確認して、間違っていないかをご確認下さい。また、日付が入っておりますので、頼んだ不動産業者が積極的に営業活動をしているのかがわかります。出来るだけご自身も貰うよう、心がけて下さい。



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